低気圧に対抗するなら達郎しかない

天気が悪い日が増えてきた。そろそろ梅雨入りも近いかもしれない。

 

大人になってからというもの、体調が天気に左右されるようになった。雨の日は頭が痛い。曇りの日も頭が痛い。そしてイライラする。同じ症状に悩む人も多いらしく、気象病という名前があることを最近知った。

天気が悪い日は、体調不良をすべて低気圧のせいにしている。全部低気圧が悪い。やる気が出ないのも人に優しくできないのも、低気圧のせいだと言い聞かせる。

その一方で、何かのせいにするというのもそれなりに神経を使う。気圧だって好きで下がっているわけではない。この世界はそういうものだから仕方がない。なのにみんなから責任を押し付けられるなんてかわいそうだ。それなら私の方でなんとか順応していく方が、私も気圧も幸せになれるはずだ。

 

頭痛に苦しみながらも、低気圧に対抗する方法を考えてみることにした。

症状を緩和するという観点で言うなら、頭痛薬を飲むとか、手っ取り早い方法はある。ただ、私の場合は既に持病の薬を毎日飲んでいるので、これ以上の服薬は避けたいところだ。

あとは、イライラするならいっそ寝てしまえばいい。寝てしまえればどんなに楽だろう。寝てしまえないから悩んでいる。いつでもどこでも寝ているわけにはいかない。

 

だったらもう、低気圧そのものに戦いを挑むしかない。

ここで私はひらめいた。低気圧の反対は高気圧。ということは、高気圧なら対抗できるのではないか。

なんとも頭の悪い発想だと思う。気象予報士が聞いたらどんな顔をするだろうか。しかし私は確信していた。高気圧ならいける。低気圧とぶつかることで、相殺できる。何を相殺させるのかはよくわからないが、なんとなくいい感じにフラットな状態になればいいだろう。

 

私は日本で一番有名な高気圧を召喚した。そう、山下達郎である。

スマートフォンから「高気圧ガール」が流れてくると、その圧倒的な高気圧ぶりにただただ驚くばかりだった。内陸に住んでいるはずなのに海が見える。空が青い。海も青い。これはすごいかもしれない。

完全に低気圧ガールだった私の頭が、少しずつ高気圧に傾いていくのを感じる。達郎がアドリブのロングトーンを歌い上げるたび、高気圧に引っ張られる。数分前より目が開いている気さえする。

 

予想以上の達郎効果に、戸惑いを覚えた。もはや達郎ならどの曲でもいい気がして、「踊ろよ、フィッシュ」をかけてみると、これも十分高気圧サイドに私を連れて行ってくれた。

 

この方法に弱点があるとすれば、継続して山下達郎を流さなければ効果が切れてしまうことかもしれない。達郎を聞いていると気分的には改善されるが、いい気分のまま曲に聞き入ってしまうので、手元の作業は大して進まなかった。マルチタスクが得意な人にはいいのかもしれない。

 

 

最終的に何が言いたいかというと、山下達郎はすごい。

 

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全然関係ないけど台湾で暑い日に食べた豆花がおいしかった

 

今週のお題「雨の日の過ごし方」