野良コンポジション・コレクション その2

続きは来週などと言いつつ一週間以上経ってしまった。

 

その1はこちらから↓

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今日はその2である。前回紹介しきれなかった野良コンポジションを紹介していきたい。

 

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地下鉄の階段で発見した野良コンポジションである。手元にフィルムカメラしかなかったので、とりあえずそれで撮影した。

タイル張りの壁に2色のマスキングテープが貼られ、幾何学模様のようになっている。所々に数字が振ってあり、おそらく修繕工事か何かに使用する印のようなものだと思われる。色分けされているのも識別のためであって、あくまでこれは装飾ではない。

 

それにしても、なんとも興味を惹かれる光景である。テープはタイルの目に沿って貼られており、ドット絵で描かれた世界地図でも見ているかのような気分になる。

例えば、緑とピンクの大陸や島にはそれぞれ異なる民族が住んでいるとする。緑の民族は規則性の高い都市計画を立てたため歪みの少ない土地を好み、ピンクの民族は小さな島に散り散りになったことで様々な文化を持った村に別れた、などと色々想像できて楽しい。

 

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続いては野良コンポジションの醍醐味とも言える、適当さが生んだ躍動を感じることのできる例である。

プレハブのような小屋の側面に、磁石が不規則に貼られている。不規則に、というよりは適当に貼ったに違いない。ところが、その適当さがかえって素晴らしい躍動感を生み出しているのだ。

縦に貼られた白いシート状の磁石が、一枚だけ他とは離れた場所にあるのがいい。これがいいアクセントになっている。また、白黒と寒色がメインの構成となっている中、一本だけオレンジ色の磁石があるのもまた素晴らしい。ずっと見ているとカクレクマノミや他の魚たちが生き生きと泳いでいるようにも見えてくる。緑や青の水草が揺れ、時折水面に向かって泡が上がっていくのである。

 

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さて、今回は少し妄想し過ぎているので、最後の一枚はコメントが難しい例を紹介する。

 

アパートか何かの壁を撮影した。正直、このグレーの図形たちが何の役割をしているのか、私には皆目見当がつかない。何か亀裂か穴のようなものを塞いだのだろうか?

そんな疑問はさておき、淡いブルーとグレー、そしてホワイト、この調和が見事である。形の歪さや並び方も、なんとも愛らしい。これはシンプルにかわいい。

 

 

今回は以上となるが、また収集が進み次第記事にしていこうと思う。それにしても最後の例の正体が気になる。